STORY10

母の介護と仕事、新たな挑戦へ

Chapter2:「自分を生きる」働き方編

自らの意志で
母の介護を選択

ゴールが見えない不安
肉体的にも精神的にも負担に

独立して10年、コーチングに専業して1年が経ち、仕事も軌道に乗ってきました。そんな折、母の介護が必要になりました。父が他界した際、当時会社員として多忙な時期で父の面倒は殆ど母に任せ、父を看取ることができなかったことに心残りがありました。

せめて母の面倒は看て、しっかりと見送りたいと思い、介護の役割を引き受けることを決意しました。しかし、スケジュールの融通が付けやすいフリーランスの身とは言え、正直なところ、仕事をしながら母の介護をしていくことには不安しかありませんでした。

実際にやり始めると、当初想像していたよりも、随分と手間も面倒もかかり、尚且つゴールが見えないことで、肉体的にも精神的にも日に日に負担になっていきました。

自分が母の面倒を看て見送りたい、面倒を看ようと自ら決めて始めたのですが、気がつくと「なんで、こんなことまで俺がやらないといけないんだ!」「そしてこの状態がどこまで続くのよ。。。」といった感情が自分の心の中で大きくなっていました。

そして「自分はこんなにも頑張っているのに!自分はこんなにまで我慢してやっているのに!」「それに引き換え当人の母は、なんてわがままの言い様だ!」という母への怒りになっていきました。

自分の中にある被害者感情

何でもかんでも自分でやろうとしない
我慢しすぎない、完璧にやろうとしない

この母に対する怒りの起点は、「自分の中にある被害者感情」でした。
自分が母を看取りたいと思って、自分が決意し選択したことなのにもかかわらず、被害者感情を持つというのは、冷静に考えればおかしなものです。

この被害者感情を生まずに尚且つ、孤立を感じないようにすることが、この怒りの感情を生み出さないためにするべき事だと考えました。

被害者感情を抱かず孤立を感じないためには、何でもかんでも自分でやろうとしないこと、我慢をしすぎないこと、完璧にやろうとしないことが必要でした。そのために責任感も使命感も適度に抑え、介護や看護のプロのチカラも進んで借りるようにしました。

心身の状況に
アンテナを立てる

ビジネスリーダーに求められる
プロフェッショナルとしてのスタンス

兎角私たちはプライベートでのもめ事を引きずり、仕事に悪影響が出たりするものです。仕事の時間も、プライベートの時間も、自分の心と身体の状態をベストに保つことがプロフェッショナルに求められるスタンスであるはずです。

このことを肝に銘じ今私は、プロフェッショナルとして自分の心身の状態に常にアンテナを立て、ベストに向けて仕事でもプライベートでも心身のセルフマネジメントに責任を持つことを大切にするようになりました。

そして、自分が提供するサービスの品質をより良くしていくために、「セルフマネジメントに責任を持つ」というプロフェッショナルとしてのスタンスは、ビジネスリーダーに求められるものだと確信し、日々、クライアントに関わらせていただいています。

Key Message

セルフマネジメントに責任を持つ

時に、コーチ
時に、コンサルタント
時に、相談相手

これまでを振り返って

痛みや辛さも、かけがえのないリソース

こうして、自身の人生を振り返ってみると、紆余曲折を経てやっと、自分を活かし充実感を得られる仕事に辿り着いたように感じます。

7年間に亘るグループ経営企画部署での統括マネージャー経験、中小企業診断士としての知見と経験など、その歩みの中で身につけた専門知識や知見はもとより、痛みや辛さへの実体験に基づいた理解・共感も私のかけがえのないリソースです。

私は、人生で得たリソースをふんだんに活かし、時にご自身の弱みを見せられる【相談相手】として、時に忙しい毎日でおざなりになりがちな内省を促す【コーチ】として、そして時に専門知識や知見を基にした【アドバイザー】として、関わらせていただいています。