STORY02

昇格試験の挫折が、ひとつの転機に

Chapter1:「組織人として生きる」働き方編

2年連続の不合格

負けず嫌いが功を奏して、
営業目標を達成

ドラムを趣味として思いっきり満喫するための生活費稼ぎといったような気楽な気分で入社し、営業部門に配属となりました。
そうした気楽な気分で入社したものの、毎日の仕事は忙しく、また刺激的でもありました。元来の負けず嫌いで成功意欲の高いことが功を奏して、営業として目標を達成していくことに夢中になりました。

その結果、まずまずの好業績を残すことができましたが、32歳を目前にして大きな挫折を味わうことになります。

上司に指示されるまま
テーマを設定した昇格試験

入社10年になり、迎えた昇格試験という壁が私の前に立ちはだかりました。
昇格試験には、経年成績に加えて、論文審査があったのですが、その論文審査では、自分の意志や情熱を記述することが求められていました。
自分としての意志が試されるというのに、ここでも私は、上司に指示されるままにテーマを設定し、上司に添削されるがままに書き直し、一字一句まで上司の承諾を取り付けて論文を提出するという、他人任せの習性を発揮していました。

そうした他人任せの結果は、2年連続不合格というものでした。
その間、同期入社はおろか後輩にも先を越されていくという屈辱を味わい、仕事へのモチベーションはどん底まで落ちていきました。

「自分を正当に評価しない会社に、何が楽しくて毎日通っているんだ?」と嫌気が差してきて、仕事にも身が入らなくなり、成績も急降下するという悪循環にはまっていきました。

人生初の
イニシアティブを取る

会社を見返してやろう
睡眠時間を削り、勉強に明け暮れた

この挫折は、私の「他人任せの習性」に、活を入れることになりました。
自分に挫折を味合わせている会社を見返してやろうと強く決意し、一番自分の興味が湧く中小企業診断士試験に焦点を当てチャレンジすることを決めました。

想い返すと、人生で初めて、自分がイニシアティブを取り、決意をして行動を起こした時だったように思います。土日に資格取得のための通学講座に通うのに加えて、平日も仕事が終わった後や早朝を勉強時間に充て、3年間にわたり睡眠時間を3~4時間まで削って勉強に明け暮れました。人生で最も勉強という努力を自ら進んでした経験でもあります。努力の甲斐あって、2000年、中小企業診断士の資格を取得できました。

中小企業診断士資格の勉強時期中、3度目の昇格試験へのチャレンジ機会を得ました。2度の不合格経験に加えて、中小企業診断士試験挑戦という体験も相まって、「人任せにはせずに、自分が心から信じて願う意志」を論文に書き記しました。結果は合格。「大切なことの表現や決断は人任せにしちゃいけないんだな」と思い知らされた経験にもなりました。

自分の市場価値を
思い知る

勉強で得た知識は、机上の理論
経験を積むため会社に留まる決意をする

実は、資格取得後に「転職してやるぞ!」と息巻いて、転職エージェントにも会いに行きました。資格を取得した自分にどれほど価値があるのか?を確かめたいという気持ちもありました。結果は、箸にも棒にも引っかからず。自分の市場価値の低さを思い知らされました。

資格勉強で得た知識は机上の論理でしかなく、知識を裏付けるだけの実体験を積まずして、自分の市場価値は上がらないことを痛感させられました。

そこで、知識を裏付ける経験を積めるような仕事に就くために、会社に留まることを決め、資格を活かした新たなチャレンジがしたいと強く思うようになりました。そこで、経営企画など会社経営に少しでも貢献できる部署への異動願いを出すことを決意しました。

コーチングとの出会い

仕事を通して、何を得たいのか?
何を成し遂げたいのか?

自分が願うキャリアの積み方などを考えるキャリアプランニングで、偶然「コーチング」に出会いました。
決まり切った枠に自分を押し込めるのではなく、自分の可能性を最大限に拡げた中で、人生やキャリアをデザインしていくというコーチングの世界観に一辺で魅了されました。

自分が願うキャリアを見つけたいというニーズから、コーチングに近づいた私です。コーチングを学びながら、自らがコーチングを受けることに主眼を置いていました。「自分が仕事を通して何を得たいのか?何を成し遂げたいのか?」を真剣に考え始めたのは、この頃でした。

この一連の経験をきっかけに、人生の主導権を会社や上司、親といった外部に預けるのではなく、自分がしっかりと握ることが、どれだけ大切かを痛感しました。この頃から「人生のオーナーシップを自らの手に」という言葉が私の信条となりました。

Key Message

他人任せの人生が自ら喜びを遠ざけていた