STORY09

自ら舵を切り、コーチングに特化

Chapter2:「自分を生きる」働き方編

「苦手」を認める
受け入れる

研修講師よりも、コーチングの方が
自分の性に合っている

鬱症状発症による引きこもり時期が半年ほど過ぎて改めて思ったことは、「自分は、1対多が苦手なんだ」ということでした。これまで、心の奥にある苦手意識も考え過ぎないように、仕事のご依頼を頂けている事を頼りに、自分の可能性を必死に広げようと努力してきました。

しかし実際のところ、集団でのコミュニケーションは、その場の空気を読んで発言をすることが求められるように感じ、非常に不得意であり、毛嫌いするきらいが私にはありました。逆に、個人と個人が向き合って、本音で話ができる1対1での交流が好きで得意でもありました。

この私の気質から考えても、1対多での研修講師よりも、1対1でのコーチングの方が性に合っていることは一目瞭然でした。これまでの主戦場だった研修講師から足を洗って、あまり優先的に引き受けてこなかった、ビジネスリーダー向けのコーチングに大きく舵を切っていくことを決めました。

コーチングに注力して
起きた変化

Doingにばかり意識が向いていたが、
在り方や人間性、Beingを重視するように

仕事をコーチングに絞ってみると、自分自身の内面で感じることが、全くこれまでと違っていることに気づき自分でも非常に驚きました。研修講師の時には「正しいことや正解をつたえるエネルギッシュで情熱的な人物」を演じることに必死でしたが、コーチングでは、そうした「~ねばらない」という感覚が全く消え、自由な自分で居られました。

コーチングでは、クライアントの気づきが生まれるために必要な「本当に話したいこと」が話されるように、コーチとクライアントが互いに協力しあう1対1の対等な関係を築きます。そのため、クライアントだけでなく、コーチも正直に本音で向き合うことが求められます。

ですから、コーチが飾らない「あるがままの自分」を活かしていくことが鍵になります。コーチは、コーチングの現場で「頑張らないこと」つまり、「頑張らずに肩の力を抜いているあり方」が重要です。

講師業では、何を話しどのようなプログラムを行うのか?と行動(Doing)にばかり意識が向いていましたが、コーチに転業してからは、行動よりも自分のあり方や人間性(Being)を重視するようになったのだと思います。

「どのように生きるか?」
を磨き続ける

真剣に誠意を持って生きることが、
仕事(コーチング)と限りなく一致

コーチとして、少しでもクライアントの役に立ちたいと思えば、スキルや行動を磨くよりも、自分の人間力「どのように生きるか?」を日頃から磨く努力が必要になります。

その意味で、今の私にとっては、自分の人生を真剣に誠意を持って生きることと、仕事(コーチング)とが限りなく一致しているのだと思います。そして、それこそがコーチの醍醐味であり、私が惹かれている所以でもあります。

2018年にコーチング専業へと舵を切り、お陰様で、様々な業種の様々な規模のお客様、エグゼクティブマネージャーの皆様に、コーチとして関わる機会をいただきました。2022年11月時点で、延べ55社、約600人、コーチング総時間2,000時間の提供をさせて頂いています。

関わらせて頂いたお一人お一人、一時間一時間、全てが、私にとっては自分の人生を真剣に誠意をもって生きることになる「喜びの時間」であり、同時に私の人間力も鍛えて頂ける時間になっています。

Key Message

真摯に生きることが「自分の仕事」になる